【体験談】アトピーで化粧水もしみるとき。

【体験談】アトピーで化粧水もしみるとき。

アトピーで化粧水もしみる。
スキンケアをしようと手を伸ばしたとき、化粧水が「ピリリッ」としめて、思わず顔をしかめてしまう……。アトピーや敏感肌で悩まれている方は、一度はそんな経験があるのではないでしょうか。

僕自身に関して言えば、化粧水どころか、基礎化粧品のほとんどで痒みが出たり沁みたりするような日々を過ごしてきました。この記事では、そんな僕自身のリアルな体験談をもとに、アトピーや敏感肌で化粧水(化粧品)がしみるときの工夫や、日常で実際に取り入れているスキンケアについて書いてみます。

プロフィール / Kenta
1995年生まれ。父は化粧品会社URUOI FACTOR(うるおいファクター)代表。幼少期から重度のアトピー性皮膚炎を抱え、大学病院での治療や自然療法など、さまざまなケアを経験。現在は特定のお薬や注射に頼るのではなく、日々の運動や食事、心地よいスキンケアなど、心に負担のない範囲でアトピーとうまく付き合っている。肌や心の状態が「いい日」も「悪い日」も、ありのままを受け入れながら穏やかに過ごすことがモットー。

そもそもアトピーは化粧水が苦手

そもそも、アトピー肌の僕にとって「化粧水をつける時間」は少し気の重いものでした。コットンを使うと、かきむしってごわついた肌に繊維が引っかかってムズムズする。手でパタパタ叩き込むケアも、その振動自体が痒みのスイッチを押してしまうのです。

アトピー肌にとって「摩擦」は大敵です。かいてしまうと乾燥が進み、肌がさらに硬くごわついてしまう……。だからこそ僕は、「いかに痒みのきっかけを作らないか」を一番に考えてきました。そんな葛藤から、普段は肌に直接触れずにうるおいを満たせる「ミストタイプ」をよく使っています。

ボトルタイプを使うときや、ミストを手のひらに出して使うときも絶対に叩き込まず、手のひら全体で顔を包み込み、2〜3回ぐーっと優しく押さえるだけ。敏感な肌には、良かれと思ったケアすらストレスになることがあるからです。だからこそ僕は、一度に大量につけず、少量ずつ肌の様子を見ながら優しく重ねるようにしています。

なぜアトピーは化粧水がしみる?

アトピーはあらゆる原因によって肌のうるおいが減少し、うるおいを保つ力も低下している状態なのでカラカラに乾燥してしまいます。すると、本来は肌の奥にあるはずの神経線維(かゆみや刺激を感じるセンサー)が、肌のすぐ表面近くまでぐんぐんと伸びてきてしまうのです。

この「乾燥してバリアが低下した状態」と「神経線維がのびた状態」が重なることで、本来なら肌を潤すはずの化粧水であっても、触れた瞬間に強いピリピリ感やヒリヒリとした痛みを引き起こしてしまいます。

つまり「しみる」のは、自分のケアが間違っているからではなく、傷ついた肌が「今は刺激しないで!」と一生懸命に出してくれている大切なサインなのです。

アトピー肌の化粧水選び

これは化粧水に限らず、美容液やクリームなどの化粧品全般に言えることなのですが、アトピーや敏感肌の時期はアレルギーや刺激を起こしやすい成分を避けるのが無難です。

アトピー肌で気をつけたい成分チェック
  • 香料(「無香料」と表示されているものを選ぶ)
  • パラベン・防腐剤(「パラベンフリー」を選ぶ)
  • 合成着色料(表示の最後に「赤〇号」「青●号」とあるタール色素)
  • 強い界面活性剤(セチル硫酸Na、ラウリル硫酸〜など)
  • 紫外線吸収剤(「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」を選ぶ)
  • ジアミン系色素・ラノリンなど(かぶれやすい方は注意)

成分表を確認してシンプルでマイルドな処方のものを選ぶとともに、実際のつけ方でも「摩擦を徹底して避ける」工夫をしています。

アトピー肌の化粧水のつけ方

アトピーや敏感肌で、もっとも大切なことはこすらないことです。前述の通り、神経線維がのびて過敏になっている肌はちょっとした摩擦で痒みや刺激を感じてしまいます。いくら「良い」とされる化粧水や保湿剤を使用したとしても、こすりつけていてはダメです。化粧水のほか洗顔時もやさしく肌に触れる事を心がけ、顔を拭くときも強くこすらないよう注意しましょう。

化粧水を塗るときに気をつけること
  • 手で強く擦ったり叩き込んだりせず(手のひら全体でやさしく覆う)
  • 一度に大量につけず(適量を少量ずつ重ねて満たしてあげる)
  • 乾燥が強い部分は(無理に擦らずそっと重ね付けをする)
  • 日中乾きを感じたら(ミストなどでこまめに優しく保湿する)

特に「水でさえもしみてつらい」という時期は、水分の前にまず油分でクッションを作ってあげると楽になることもあります。先に刺激になりにくい「美容オイルUF」を1〜2滴なじませて肌をやさしく保護してから、「UFスムースミスト」をシュッと吹きかけると、やさしい使い心地で肌にうるおいを満たすことができますよ。

自分の肌とスキンケア製品との「相性」を大切に

実は生後すぐの赤ちゃんの頃からしっかり保湿してあげると、アトピー性皮膚炎の発症を予防できるという研究データもあります。幼い頃から皮膚のバリア機能を整えてあげることは、それくらい大切なことなんですよね。

ただ誰にとっても「絶対にいい!」と言える化粧水やスキンケア製品があるのかというと、残念ながらそうではありません。スキンケアには、どうしても一人ひとりの「肌との相性」が存在するからです。

僕自身もこれまで数え切れないほどのスキンケアを試してきましたが、結局のところ、自分の肌質やその日のコンディションに合うかどうかが全てだなと実感しています。
例えば、乾燥がひどいときは油分の多いクリームや軟膏がしっくりきますし、逆に汗をかきやすい季節やそこまで乾燥が強くないときは、サラッとしたローションや軽い乳液の方が気持ちよく使えたりします。一番大切な判断基準は、シンプルですが「自分の肌がどう感じているか」です。

塗ったときにすーっと馴染んで「気持ちいいな」「うるおっているな」と感じられるもので、日々スキンケアをするのがベストです。逆に、少しでもピリピリとした刺激を感じたり、赤みや痒みが出てしまうものは、どんなに良いとされる商品であっても、自分の肌には合っていないサイン。無理な使用は控え、ほかのものに変えるかお休みするほうがよいと思います。


【文献】
・ 野村有子, 西本周平. やさしく伝えるスキンケア実践ガイド:患者さんの疑問から読みとく. メジカルビュー社; 2025.
・Horimukai K, et al: Application of moisturizer to neonates prevents development of atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol 2014; 134: 824-30.
・大塚篤司, 椛島健陸. バリア破壊とアレルギー - 皮膚バリア機能と皮膚免疫. アレルギー 2015; 64: 1189-94.

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